WordPressを使用してWebサイトをリニューアルするときは、デザインやコンテンツを刷新する以外にもしなければならないことが数多くあります。
そこで、WordPressによるWebサイトのリニューアルで知っておきたい技術的なポイントや基本的な手順について全4回に分けて解説します。Web制作者や企業のWeb担当者が課題を解決するための手がかりとなるでしょう。
第4回目(最終回)の今回は、WebサイトをWordPressでリニューアルする際の基本的な手順を解説します。
サーバーやドメインの変更を伴わないケースでの手順は次のとおりです。
- 目的の明確化
- 要件定義
- バックアップ
- テスト環境の構築
- ブロックに対応したテーマによる制作またはテーマの適用
- プラグインの追加・整理
- テスト環境のドメインから本番のドメインへの変更
- リダイレクトの設定(ページURLが変わる場合)
- 公開後の確認・動作テスト
それぞれについて概要を解説します。
①目的の明確化
リニューアルの目的を明確にします。次のうちのいずれか、または複数の目的があるでしょう。
- デザインの刷新
- コンテンツの刷新
- 機能追加(EC・会員機能など)
- SEO改善
- パフォーマンス向上
これらの目的は、マーケティング活動の結果から設定されるものです。
リニューアル後に目的を達成したことが確認できるような、数値目標を設定するのが望ましいといえます。
②要件定義
目的を達成するために必要な要件を定義します。
- ターゲット・コンセプト・デザイン
- 数値目標(CV数・PV・検索順位・ユーザー評価など)
- 予算・スケジュール・担当者
- リニューアル対象ページ
- 追加機能と実装方法
- リニューアル後の運用・保守の方法
リニューアル作業に入る前に、これらの要件を明確にする必要があります。
以降は実施する作業の流れです。
③バックアップ
Webサイトの大切なデータをアクシデントによって失わないために、定期的なバックアップは必須です。
リニューアル時の作業ミスでデータを失うケースや、WordPress・プラグインのバージョンアップで失うケースがあります。サイバー攻撃や、天災によってサーバーが損傷する可能性もあります。
推奨されるバックアップ方法
定期バックアップの方法は次の2つがおすすめです。
- サーバー会社のバックアップサービスを利用する
- バックアッププラグインを使用する
サーバー会社で定期的な自動バックアップサービスを提供している場合は、利用するのがおすすめです。
プラグインによるバックアップ
自社でバックアップを取りたい場合は、プラグインを利用するのがよいでしょう。
「BackWPup」プラグインを使用すると、自動的に定期バックアップが取得できます。
リニューアルやサーバー移転などでは「All-in-One WP Migration」もよく利用されるプラグインです。無料版にはスケジュール機能がないため、リニューアル後に定期的な自動バックアップを取りたい場合は有料版を使用する必要があります。
④テスト環境の構築
Webサイトのリニューアルでは、テスト用や新サイト用として別のサーバー環境を用意することで、安全性の高い作業が可能です。
本番と同じサーバー上にテスト用ディレクトリを作成する方法はよくありません。
テスト環境が本番環境の配下に入ってしまうため、独立した環境とは異なる動作をする場合があります。
また、テストでトラブルが発生した場合に、本番環境の動作に影響する可能性もあります。
テスト環境が別のサーバーであっても、サブドメインの割り当てが可能です。サブドメインでテストを実施するのもよいでしょう。
テスト環境構築で必要な作業
テスト用サーバー環境(ステージング環境)の構築では、次の作業が必要です。
- WordPressのシステム要件の確認
- テスト用サーバー・ドメインのセットアップ
- SSL証明書のインストールとHTTPSの有効化
- 本番環境のバックアップ
- テストサーバーへのファイル転送
- データベースのエクスポートとインポート
- データベース内のURLをテストサーバーのURLに置換
- テスト環境のセキュリティ設定(アクセス制限など)
- メール送信の設定(本番環境への誤送信を防ぐ)
テスト環境構築におすすめのサービス
自前でテスト環境を用意するには手間もかかります。
レンタルサーバーにステージング環境が用意されている場合は、利用することをおすすめします。PHP・MySQLなどのバージョンが本番と同じで、各種の設定内容も揃っており、環境の差異がなくテストに最適です。
たとえば、さくらインターネットはサーバープランのユーザー向けにステージング環境を無料で作成できるサービスを提供しています。
サーバー会社のステージング環境を利用できない場合は、「InstaWP」のようなWordPress環境を簡単に構築できるクラウドサービスを使用するのもよいでしょう。
テストが終わったあとの処置
リニューアルが完了すれば、テスト環境は削除するのが基本です。
リニューアル後にアップデートのテストなどで使用したい場合は、放置せず、本番同様にアップデートを実施して管理しましょう。
⑤ブロックに対応したテーマによる制作またはテーマの適用
リニューアル制作の方法によって、プロセスは次のように異なります。
- 従来のテーマをベースに変更を行う
- 市販のブロックに対応したテーマなどを使用して制作する
- 新規のブロックに対応したテーマを制作する
いずれの場合も、テスト環境で制作を進め、完成してから本番環境に移設する流れとなります。
⑥プラグインの追加・整理
WordPressに標準装備されているもの以外の機能を追加する場合、通常はプラグインを導入することになります。
配布されているプラグインが利用できる場合は、新たな制作は不要です。
リニューアルを機会に改めて必要な機能を確認し、それらをどのプラグインで実現すべきかを再検討するとよいでしょう。
古いタイプのプラグインを廃止して新しく将来性のあるプラグインに変更するなど、システムの若返りを図ることも必要です。
⑦テスト環境のドメインから本番のドメインへの変更
リニューアルサイトの制作が完了し、クライアントへの確認まで済ませた段階で、テスト環境に展開しているファイル一式とデータベースを本番環境に戻します。
テスト環境のドメインは本番のドメインに変更する必要があるため、URLデータの置換が必要です。
⑧リダイレクトの設定
リニューアルによってコンテンツを変更する場合、旧サイトの特定のページを新サイトの新しいページにリダイレクトする処理を設定します。
サーバ上の設定ファイルへのリダイレクト設定、またはリダイレクトプラグインを使用した設定を行って、旧ページから新ページへの301リダイレクトを実施します。
301リダイレクトは恒久的にURLを変更する処理で、検索エンジンにおけるページの評価が新しいページに引き継がれるため、ぜひ設定しましょう。
⑨公開後の確認・動作テスト
リニューアルサイトを公開したあとは、改めて全体の動作状況を確認します。次のような作業を実施しましょう。
- 各ページが正しく表示されることを確認
- リダイレクトが機能していることを確認
- フォーム送信などの機能が動作することを確認
- トラッキングコードやサイトマップが機能することを確認
- サイトへのアクセスに問題がないか解析ツールで確認
- ユーザーへのリニューアルの告知
WordPressのコア・プラグイン・テーマのアップデートに伴う更新作業は継続して実施する必要があります。
また、アクシデントでデータが失われないよう、定期的な自動バックアップを設定しましょう。
WordPressによるリニューアルを適切に行うには
知識・スキルが必要
WordPressによるWebサイトのリニューアルは、単なるデザイン変更にとどまりません。
次のような知識・スキルが必要です。
- データベースやファイルの取り扱い
- WordPressやサーバーの仕組みの理解
- SEOの知識
- 不具合発生時の対処
WordPressが正常に動作している場合、各種機能を使用することは比較的簡単です。
しかし、WordPressを正しく動作させるためのセットアップは、Web制作者でも難しい部分があります。
また、不具合や障害発生時の対応は、何らかの実務経験がないと迅速に対応できないでしょう。
WordPressによるサイトのリニューアルは
Webの相談所にお任せ!
WordPressによるWebサイトのリニューアルにはさまざまなケースがあります。
全体の流れは理解していても、個別の作業には細かなノウハウがあるため、作業を完了させるには相応の知識を持つことが前提となります。
移行作業の適切な実施タイミングなども慣れが必要です。
弊社「Webの相談所」はWordPressの保守を専門とするWeb制作会社です。
経験豊富なエンジニアとデザイナーが運営し、WordPressによる大小さまざまなWebサイトのリニューアルを、数多く手がけてきました。
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