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Webサイトの引き継ぎの際に確認すべき10項目


何らかの事情によってWebサイトの移管が必要になった場合、移管先を決めて管理を引き継ぐ必要があります。 自社がそのような打診を受けた場合は、引き継ぎのための準備が必要です。

ただ、引き継ぎの際にどのようなことを確認すればよいか、整理できていないケースも多いのではないでしょうか。

この記事では、Webサイトの引き継ぎで確認する必要のある項目や、引き継ぎを進めるうえでの注意点について解説します。
引き継ぎ後にすべきことについても挙げていますので、移管チェックリストを作成する際にも参考になるでしょう。

目次

移設・移転ではなく「移管」での引き継ぎ

ここでいう「引き継ぎ」とは、Webサイトの管理者が変更になる際の引き継ぎを指します。

Webサイトを止めることなく、稼働した状態で管理担当が変わることを意味しています。
サーバー会社もプランも、ドメインの管理会社も変わらないケースです。(所有者や管理者は変わるケースがあります)

サイトの引き継ぎが必要になるケース

Webサイトの引き継ぎが必要になるケースを次の表にまとめています。

ケース概要
運用契約の終了制作会社や運用代行会社との契約満了、または解約に伴う引き継ぎ。早めに引き継ぎ範囲や期限をすり合わせておくことが重要
担当者の異動サイトを管理していた担当者が、異動や退職によって別の人に業務を引き継ぐケース。属人化を防ぐための資料整備が欠かせない
サイトの内製化外部の制作会社に委託していた運用を、自社内で行う体制に切り替えるケース。引き継ぎ時点で必要な知識やマニュアルもあわせて受け取っておく
制作会社の事業整理委託先の倒産や廃業、事業縮小に伴う引き継ぎ。日ごろから自社サイトの情報・状況を把握しておくことが備えになる

サイトの引き継ぎの概要

サイトの引き継ぎの概要

サイトの引き継ぎは、方向性によって確認すべき視点が異なります。ここでは「他社から引き継ぐ場合」と「他社に引き渡す場合」の2つの視点を解説します。

他社から引き継ぐ

前の制作会社や運用会社からサイトの管理を受け取るケースです。
サーバーやドメインの契約状況、管理画面へのアクセス権限など、必要な情報がすべて揃っているとは限りません。
抜け漏れがあると引き継ぎ後の運用に支障が出るため、確認項目に沿って一つずつ整理する必要があります。

他社に引き渡す

自社が管理していたサイトを、別の制作会社や運用会社に引き渡すケースです。
引き継ぐ側にも、情報の整理や権限の整備などの準備が必要です。
引き渡し後にトラブルが起きないよう、責任の範囲を明確にしたうえで進めましょう。

サイトの移管に伴う引き継ぎで確認すべき10項目

ここからは、サイトの引き継ぎで確認すべき10項目を具体的に解説します。以下の項目を一つずつチェックすることで抜け漏れを防ぎましょう。

項目主な確認ポイント
1. サーバー環境・SSL証明書契約会社・プラン・名義人・契約期間・ログイン情報・WAFなどのセキュリティ設定
2. ドメイン登録会社・名義人・有効期限・DNS設定
3. 管理画面・ログイン情報CMSの管理画面URL・アカウント・パスワード・システムのバージョン・プラグインのセキュリティ設定
4. テーマ・プラグイン一覧・バージョン・ライセンス
5. サイトの構成ファイルCMSの構成やメディアファイル(画像・動画・PDF)の容量
6. データベース接続情報・バックアップの有無
7. バックアップ体制取得頻度・保存先・復元方法
8. 外部サービス連携アクセス解析・メール配信などの権限・アカウント
9. カスタマイズ内容・ソースコード改修箇所・改修履歴
10. 保守・サポート体制保守内容・対応範囲・契約形態

1. サーバー環境・SSL証明書

サーバーやSSL証明書について、次の点を確認します。

  • 契約会社
  • プラン内容
  • 名義人
  • 契約期間
  • 管理画面のログイン情報

レンタルサーバーか自社サーバーかによって、確認すべき内容が変わるため注意しましょう。
SSL証明書の状況やWAFの設定状況についても確認が必要です。

前管理者が名義を持っている場合、名義変更の必要な場合があります。変更する際は譲渡手続きについて確認しましょう。

2. ドメイン

ドメインについて、次の点を確認します。

  • ドメインの登録会社(レジストラ)
  • 所有者(名義人)・管理者・各種担当者
  • 有効期限
  • DNSの設定内容

ドメインの管理者情報が前担当者のままになっていると、更新や設定変更ができなくなる場合があるため、注意が必要です。

ドメインは運営者名義でないと、更新や権限変更が管理者個人に依存してしまいます。
何らかの事情でサイト管理者が名義を持っている場合、双方で確認し、必要であれば名義人が譲渡を行います。

3. 管理画面・ログイン情報

WordPressなどのCMSについて、次の点を確認します。

  • 管理画面のURL
  • 管理者アカウント
  • パスワード
  • システムのバージョン

引き継ぎ後は、セキュリティの観点から新しいパスワードに変更し、不要なアカウントは削除しましょう。

プラグインのセキュリティ設定についても確認が必要です。更新が滞っているセキュリティ対策の有無も洗い出しておきます。

4. テーマ・プラグイン

テーマやプラグインについては、次の点を確認します。

  • 使用しているテーマとプラグインの一覧
  • バージョン
  • ライセンスの有無

有料のテーマやプラグインの場合、ライセンスの譲渡手続きが必要になることもあります。

5. サイトの構成ファイル

サイトを構成するファイルの種類や全体容量を把握します。画像・動画・PDFなどのメディアファイルの有無と保存場所、権限の異なるディレクトリの有無についても確認しましょう。

6. データベース

データベースの接続情報や、直近のバックアップの有無を確認します。以後の改修や復元で参考にできます。

7. バックアップ体制

バックアップの取得頻度・保存先・復元方法を確認します。自動バックアップの仕組みがない場合、引き継ぎのタイミングで新たに体制を整えることも検討しましょう。

8. 外部サービス連携

Googleアナリティクス・サーチコンソール・メール配信サービスなど、外部サービスとの連携状況やアカウント情報を確認します。アカウントの権限が前担当者のままだと、データが確認できなくなる場合があります。

9. カスタマイズ内容・ソースコード

独自に改修した箇所や、テーマ・プラグインをカスタマイズした内容を確認します。改修履歴が残っていない場合、以後の更新作業で予期しない不具合が起きるリスクが高まります。

10. 保守・サポート体制

これまでの保守内容・対応範囲・契約形態を確認します。引き継ぎ後の保守を誰が担当するのかを明確にしておくと、トラブル発生時の対応がスムーズになります。

確認を進める際の注意点

確認項目とともに、進め方にも気を配る必要があります。注意する点を見ておきましょう。

相手の担当者・制作会社との連絡手段を確保する

引き継ぎの途中で疑問が出てきた場合に備え、前担当者や前制作会社と連絡が取れる状態を確保しておきましょう。
連絡手段が断たれてしまうと、不明点を解消できないまま進めることになります。

契約書・覚書の内容を確認する

契約書や覚書に、引き継ぎに関する条項が含まれているかを確認します。対応範囲や責任の所在があいまいな場合は、書面で改めて取り決めておくと安心です。

不明点は専門家に問い合わせる

自社で判断がつかない項目については、無理に進めず専門家に確認しましょう。問い合わせ先としては、以下が挙げられます。

  • 相手の担当者
  • ホスティング会社
  • 保守業者

当該サーバーの仕様や動作、プランの内容についてはホスティング会社への問い合わせが確実です。

分からない項目は無理に進めない

情報が揃わないまま作業を進めると、トラブルの原因になります。判明するまで一部の作業を保留する、または代替の手段を検討するなど、無理のない進め方を選びましょう。

他社からの引き継ぎ後にすべきこと

サイトを受け取った後にも、確認すべき作業が残っています。ここでは4つのポイントを解説します。

1. 動作確認・表示確認

サイトの各ページが正しく表示されるか、フォームやリンクが正常に動作するかを確認します。表示崩れやエラーがあれば、早い段階で対応しましょう。

2. バックアップの取得

引き継ぎ直後の状態で、あらためてバックアップを取得しておきます。万一トラブルが起きた場合でも、引き継ぎ時点まで復元できる状態にしておくと安心です。

3. アクセス権限・パスワードの整理

管理画面やサーバーのパスワードを新しく設定し、不要なアカウントは削除します。前担当者のアカウントが残ったままにならないよう、権限の整理を徹底しましょう。

4. 保守体制の整備

サイトを継続的に運用するための保守体制を整えます。更新作業や障害対応を誰が担当するのかを決めておくと、トラブル発生時にも落ち着いて対応できるでしょう。

他社への引き継ぎ後にすべきこと

サイトを引き渡す側にも、完了後に対応すべきことがあります。ここでは3つのポイントを解説します。

1. 自社アカウント・権限の削除

管理画面やサーバーに残っている自社のアカウントを削除、または権限を無効化します。セキュリティの観点から、引き渡し後にアクセスできる状態を残さないようにしましょう。

2. 保有データの削除・保管期限の設定

自社で保有していたバックアップデータや顧客情報について、削除、または保管期限を設定します。個人情報が含まれる場合は、とくに慎重な対応が求められます。

3. 引き継ぎ完了の書面化

引き継ぎが完了したことを書面やメールなどの形で記録しておきます。後々のトラブルを防ぐためにも、対応範囲や完了日を明確にしておきましょう。

サイトの引き継ぎがうまくいかない場合のリスク

引き継ぎがうまくいかない場合の4つのリスク

最後に、確認の不備などでサイトの引き継ぎがうまくいかなかった場合のリスクについて解説します。
以下の点を念頭に置き、確認作業の重要性を改めて認識しましょう。

データ・バックアップの消失

引き継ぎ前にバックアップを取得していないと、トラブル発生時に復旧できなくなります。
前担当者や前制作会社が保有していたバックアップデータも、忘れずに受け取っておく必要があります。

セキュリティの脆弱化

管理画面のアカウント情報が整理されないままだと、前担当者や関係者が引き続きアクセスできる状態が残ってしまいます。
不要なアカウントは削除し、パスワードも新しく設定し直しましょう。

カスタマイズ内容が不明になる

独自の機能や改修内容の仕様が引き継がれないと、以降の更新や修正が難しくなります。
とくにソースコードに直接手を加えている場合、担当したエンジニアでなければ判断できない箇所も出てきます。

保守対応の遅延・コスト増

情報不足の状態でトラブルが起きると、原因の特定に時間がかかり、対応が遅れてしまいます。調査に想定以上の工数がかかれば、保守費用が増える懸念も生じます。

まとめ

Webサイトの引き継ぎは、契約終了や担当者の異動など、さまざまな理由で発生します。
確認すべき項目は多岐にわたりますが、サーバーやドメインなどの基本情報からカスタマイズ内容やセキュリティ設定まで、一つずつ整理することでトラブルを防げます。

引き継ぐ側・引き渡す側のどちらであっても、この記事で挙げた項目のチェックリストを作成・活用することで、抜け漏れのない引き継ぎが可能です。


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