管理を怠るとビジネスでの損失に繋がります
いつもブログをご覧くださいまして、ありがとうございます。Webの相談所・メンバーの浅川です。
弊社・Webの相談所は「Five for the Future」に参画しており、私・浅川は WordPress.org サポートフォーラム上に投稿される様々な質問への回答を行う活動を日頃から行っております。
その活動を通じて、ウェブの運用に欠かすことのできない知識をこちらのブログでご紹介させていただきます。
今回は「ドメイン管理」についてです。
できるだけ、初心者の方にもご理解いただきやすいように工夫しておりますので、ご興味・ご関心がある方はぜひお付き合いください。
ドメインとサーバーの関係性のおさらい
ご存知の方も多いと思いますが、一応おさらいしましょう。
住所は非常に便利な存在
一旦、Webの世界から離れて考えてみるとわかりやすいと思いますので、例え話をさせてください。
地理の世界には、緯度経度という仕組みがあることをご存知でしょうか?
緯度経度とは、地球上の特定の場所を数値で表す座標表現です。緯度と経度を組み合わせることで、地球上のあらゆる位置を正確に指し示すことができます。
東京、大阪のそれぞれシンボル的な存在とも言える、東京タワーと通天閣にももちろん、緯度経度は存在します。
- 東京タワーの緯度経度は、緯度: 35.65857 経度: 139.745484です。
- 通天閣の緯度経度は、緯度: 34.652544 経度: 135.506335
この地球上のあらゆる位置を正確に示すことができるため、という部分がミソでして、正確に示すことができるため、クルマのカーナビ、スマートフォンのGPS機能、船舶の航海、ドローンや人工衛星の操縦などで使われており、現代には欠かすことのできない技術になっています。
しかしながら、緯度経度は数字で表されるため、私たち人間が覚えづらいという難点があります。そこで普段、私たちが手紙や宅急便を送る時には、理解しやすい住所を使っています。
- 東京タワーの住所は、〒105-0011 東京都港区芝公園4丁目2 - 8
- 通天閣の住所は、〒556-0002 大阪府大阪市浪速区恵美須東1丁目18 - 6
ドメインはインターネット上の住所
同じようなことが、Webの世界でも存在します。普段、私たちがお仕事でホームページを見たり、メールを送ったりすることができるのは、相手のサーバーがインターネット上のどこにあるのかを特定できているためです。
実は、インターネット上のすべてのサーバには、IPアドレスという各サーバを識別するための個別の数字が割り振られています。
インターネットを介して機器が通信をするときには、このIPアドレスを使って相手の場所を特定しています。
IPアドレスは「000.00.00.00」のような数字で構成される文字列ですので、人間にとっては覚えにくいものです。
そこで、Webの世界では「ドメイン」という情報を利用し、IPアドレスと関連付けて利用しています。
ドメインやIPアドレスは、どちらもインターネット上のどこにサーバーがあるかを指し示す役割を持っていますが、一般的に、ホームページアドレス(URL)やメールアドレスには人間が理解しやすいドメイン名を使っています。
緯度経度の例え話ですと、緯度経度がIPアドレス、住所がドメインと置き換えて考えていただけるとわかりやすいと思います。
ドメインの取得と維持するためには?
会社のホームページを運用する場合には、ドメイン(独自ドメイン)を取得することが一般的です。会社名、サービス名などを文字列に使うことができるため、覚えてもらいやすいためです。
弊社の場合ですと、https://web-soudan.co.jp/ の web-soudan.co.jp の部分がドメインとなります。
ドメインを申し込めば自社だけ(この場合には、株式会社Webの相談所が)が利用することができ、維持費用を支払えば、ずっと使うことができます。
ちなみに、co.jp というドメインの場合には、「日本の法人であること」「1組織(法人)につき1ドメインのみ」といった条件がそれぞれ設けられています。
ドメイン取得のメリットをまとめると、以下のようになります。
- 好きな(使いたい)文字列にできる
- 信頼性が向上する
- ずっと使い続けられる
今の時代は、ブログサービスやSNSが普及していますので、個人レベルで情報発信を行うという目的だけであれば、必ずしも費用をかけてドメインの取得・維持をする必要はないかもしれませんが、ビジネスで利用することを考えた場合には、検索エンジンで上位表示されること(いわゆるSEO)、URLのわかりやすさ、信頼性、使い続けられるという継続性は大切です。
ドメインの取得費用と維持費用は種類によって異なりますが、取得費用で2,000〜10,000円程度、維持(更新)費用は1,000〜3,000円程度必要になってきます。
ドメインの取得と管理はできるだけまとめた方が良い
ドメインを取得できるサービスは、日本でもいくつもあります。基本的にどこで取得しなければならないという決まりはありませんが、自社で管理運用しやすいサービスにまとめる方が良いです。
会社のホームページはA社、製品サイトはB社、採用サイトはC社で、契約した社員の方もバラバラ、情報共有もされていないという状態では、更新忘れなどが発生する可能性がありますから、おすすめしません。
ドメインが取得できるサービス一覧
- お名前ドットコム
- ムームードメイン
- さくらインターネット
- バリュードメイン
- エックスサーバードメイン
- Amazon Route 53
無計画なドメイン取得は避けるべき
先ほど、ドメインには取得と維持(更新)で費用が発生しますとご説明しました。ですから、無計画なドメインの取得は避けるべきです。
よくあるトラブルとしては、使わなくなったドメインを権利放棄した後や更新し忘れたために、そのドメインが悪用される(フィッシングサイトなどに利用)のケースがあり、会社の信頼性を大きく毀損してしまうということも考えられます。
また、新商品の特設サイトや採用サイトで毎回ドメインを取得してしまうという失敗例もあります。取得した数だけ、維持していくためには更新料も負担しなければならないことを考えた場合、本当に取得すべきかよく検討した方が良いでしょう。
ですから、一度取得したドメインとは今後何十年単位で付き合っていく、というくらいの覚悟が必要なのかもしれません。
サイトアドレスを分けたい時に有効なサブドメイン
会社のメインとなるホームページの他に、別サイトとして、LP(ランディングページ)、サポートサイト、採用サイトや創立〇〇周年の記念サイトなどをつくりたい場合もあると思います。
そのような場合には、「サブドメイン」がおすすめです。
わかりやすい言えば、サブドメインは既存の自社ドメインに文字列を追加することで、新しいアドレスを作成する機能です。ここで再び、弊社・Webの相談所のドメインを使って解説します。
- 自社ドメイン(ホームページ): web-soudan.co.jp
- サブドメイン1(サポートサイト): support.web-soudan.co.jp
- サブドメイン2(採用サイト): recruit.web-soudan.co.jp
サブドメインは、新たにドメインを取得せずに基本的には無料で既存のドメインに追加設定することができますので、上記のようにメインとなるサイトとは別に複数のサイトを運用したい場合などは非常に有効です。
ドメインを自社で管理する場合
ドメインを自社で管理する場合には、以下のような点を考慮すべきです。
- 自社が登録しているドメイン名の把握はできているか?
- ドメイン毎に利用目的が把握できているか?
- 自社で登録しているドメインの総数とコストを把握できているか?
- ドメイン毎の有効期間を把握できているか?
- ドメイン毎の連絡窓口は把握できているか?
- ドメイン毎の支払い方法は把握できているか?
- 現在、自社内でドメインを管理しているのは誰なのか?
- 利用が終了してしまったドメインの扱いはどうするか?
「こんなことは当たり前では?」と思われるかもしれませんが、ドメイン周りでトラブルのご相談をいただくケースでは、上記のような項目が把握できていないケースが多いです。
制作会社などに管理を委託する場合
サイトと一緒に外部の制作会社にドメイン管理を委託しているという場合もあると思います。それ自体がいけないわけではありませんが、更新方法、時期と費用などは把握するようにしてください。
また、万が一の時に備えて、ドメイン移管手続きの手順を事前に制作会社側と取り決めておくことをおすすめします。
まとめ
ドメインは一度失ってしまうと、ビジネス上で損失になってしまうため注意が必要です。
現状整理及び把握を行い、担当者(部署)の明確化、運用ルールの取り決めなどを実施することでトラブルを防ぐことができます。
Webの相談所では、専門家としてお客様のWebサイトの運用をご支援しております。お困りのことがございましたら、ご相談をいただければと思います。
参考記事など
- ドメインとは | ムームードメイン
- ドメインとは? メールアドレスやホームページとの関係、種類、関連用語を解説
- ブログに必要なドメインの費用は?無料で利用する方法も解説
- サブドメインって何?ドメインとの違いやどんな時に使うのかを解説します
- Web Designing 2023年10月号[雑誌]
- ドメイン名管理のポイント